旅果の詩的散文録

転ばぬ先の杖、自由奔放人間旅果が心情を吐露します。なんとか生きる、これが一番と信じてます。皆様や精神疾患の同胞が楽しめる絵画ブログを目指します

後書き

昨夜ある男からメールがきた

金を稼がない 精神が疲弊しきって

姿がヘロヘロになった男だ 最近に会った時は

しけもくを探し歩いていた 生きていく支えになっていた

母を亡くした 気の毒な人だ 精神障害は昔よりひどくなっていた

あれだけ口が達者だったが もうまともな応答は少ない

優しくしても常に皮肉を言うだろう 助けたくても何も

してやれない 悲しいが僕に似たタイプの男だ

優しさとはなんだろか

 

人を助けたければ

助ければよい

この広い世界で大勢の生命がひしめく中で

何かの生命を助けることは

即ち 善と思う

人の生きる意味や意義とは

ただ生き残って強くなればよいということではない

それが真理かもしれないがそれは

人生の一面にすぎない

人が慎ましく生きることは美しい

風がそよぎ 杉が喜んで揺れているように

苦しみがあり、喜びがある

時には大風が吹く 凍てつく雪がふり

人は死を想う

毎日の仕事や激務を乗り越える胆力と

かろやかな心を持った者も

火事や地震のような災害にはあっけないようだ

この世界には完全な者はいない

互いが互いに補完し、一つの大きな生命を

この地球という大地に根付いているのだ

 

私が語ることには意味や根拠がないかもしれない

 

だが、どうか聞いて欲しい

 

この世界の生命は一つの大きな花なんだ

 

そして、それは愛と性欲と捕食と物理をうまく

利用している 花は開き花粉や種を飛ばすだろう

 

それは悠久の時と死んだ者たちの潜在的な悲願かもしれない

 

愛が生命を増やし、死と破滅を乗り越えていく

 

僕はあなたがたはその一部、細胞の一つのようなものだ

 

弱ければ死と破滅が待つ

 

悲しい でもそれは先のヘロヘロの男を見ていて想う

 

「飛べない種は 地面に落ちてなくなってしまう」

 

それでも生きていれる限り 生きていくのが生き物だと思う

 

僕も自殺を考える あまりに熾烈な競争に辟易する

 

でも この世界は常に可能性の巣だ

 

この詩の数々が少しでも人々を補完すると思って

 

やり続ける

 

あの男ももうあれから三年経つが しけもく探しながら

 

生きている 僕も安いタバコを買いながら

 

少し働き金を得て 生きている

 

逆境にこそ 人は意地を見せるのだろう