僕は旅に生きた
とても険しい、深い森を行く旅だった
森の中では「声」のようなものが聞こえてきた
それはある時は嘲笑、ある時は誘惑、ある時は命令、だった
ただ、ひたすら、休み、歩き、走り、そして休んだ
森には様々な生命がいた。
家族、友達、異性、食べられる物、毒をもった物、自分を
食べれる者、殺せる者、苛めれる者、励ます者、癒す者
鳥、猿、猪、蛇、蛙、虫達、あらゆる生命が皆少しは
違っていて、ごったがえしていた。
だけどここまで来て一つ共通点があるのが分かった
彼らは生きたいと思うと同時に、運よく生きてる
僕もまたその一人だが、極端に生きる意欲をなくせば
そのうち死んでしまう。激しく、襲いかかる、死への
欲動や不運の前には、我々は無力なのだ。
我々にできることは数で圧倒するほかないのだ
木彫りを削る神の前に、木自体を大きく
そして美しく、神を圧倒するんだ
美しくなればなるほど、我々は迷いの森の
森林限界を抜け、さらなる高みへ、さらなる高みへ
生き、美しい下界を見れるのだろう
さぁ行こう、翼を手に入れ、もっと高く
もっと違う高峰を登りに。